第三種電気主任技術者・2024年度 上期・理論

2024年度 上期 理論 問10

図の回路のスイッチSを t=0t=0 s で閉じる。電流 iSi_S [A] の波形として最も適切に表すものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、スイッチSを閉じる直前に、回路は定常状態にあったとする。
(回路定数:電源1V, 抵抗1Ω\Omega, コイル1H, コンデンサ2F)

2024年度 上期 理論 問10の問題図1

出典:第三種電気主任技術者 2024年度 上期 理論 問10

回答を選ぶ

選択すると結果を表示

見直しを保存するには、設定で端末内の記録をONにしてください。

次の問題へ →
正答・解説を確認する

正答:(3)

要点

正解は(3)。投入前の定常状態でコンデンサ電圧とコイル電流を決め、投入直後は左側の RL 応答と右側の放電電流を重ねて iSi_S の波形を考える問題です。初期値を押さえると、立上りと減衰の向きがはっきりします。

詳細解説を読む

正解は(3)です。
この問題では、スイッチ投入直前のコンデンサ電圧とコイル電流を初期条件として整理するのがポイントです。

スイッチ投入前(t<0t<0):
定常状態ではコンデンサは開放、コイルは短絡とみなせます。
回路電流はコンデンサがあるため流れません(i=0i=0)。
コンデンサの電圧は電源電圧と同じ1Vに充電されています。
コイルの電流は0Aです。

スイッチ投入後(t≥0t \ge 0):
スイッチSが閉じると、回路は左右に分離されます。スイッチSに流れる電流 iSi_S は、左側のコイルからの電流 iLi_L と右側のコンデンサからの放電電流 iCi_C の和になります(キルヒホッフの電流則)。

  1. 左側(RL回路): 1V電源、1Ω\Omega抵抗、1Hコイル。
    電流 iLi_L は0から立ち上がります。
    iL(t)=ER(1−e−RLt)=1(1−e−t)i_L(t) = \dfrac{E}{R}(1 - e^{-\frac{R}{L}t}) = 1(1 - e^{-t})
  2. 右側(RC回路): 2Fコンデンサ(初期電圧1V)、1Ω\Omega抵抗。
    コンデンサの電荷が抵抗を通じて放電されます(スイッチSを通る)。
    放電電流 iC(t)=V0Re−1CRt=11e−t2=e−0.5ti_C(t) = \dfrac{V_0}{R} e^{-\frac{1}{CR}t} = \dfrac{1}{1} e^{-\frac{t}{2}} = e^{-0.5t}

合成電流 iSi_S:
iS(t)=iL(t)+iC(t)=(1−e−t)+e−0.5ti_S(t) = i_L(t) + i_C(t) = (1 - e^{-t}) + e^{-0.5t}

波形の考察:
・t=0t=0 のとき: iS(0)=(1−1)+1=1i_S(0) = (1-1) + 1 = 1 A。
・t→∞t \to \infty のとき: iS→1+0=1i_S \to 1 + 0 = 1 A。
・中間の挙動:微分して増減を調べます。
diSdt=e−t−0.5e−0.5t\dfrac{di_S}{dt} = e^{-t} - 0.5e^{-0.5t}
t=0t=0 で diSdt=1−0.5=0.5>0\dfrac{di_S}{dt} = 1 - 0.5 = 0.5 > 0。つまり、初期値1Aから一度増加します。
したがって、1Aからスタートし、上に盛り上がってから再び1Aに収束する波形となります。これに該当するのは選択肢(3)です。

関連問題

考え方を確認する補足解説